★CGギャラリー「工房」
私のホームページを見てくださって、「自分もパソコンでイラストを描いて見たいけど、どうしたらいいのかさっぱりわからないや」って方のために、私がイラストを描いていく過程を少しだけ紹介してみようと思います。

でも、あくまで「私」の描き方ですからね(^^; 他のイラスト描きの方々がどんな風に描いてるかは、私もよくわかりませんし(^^;

また、ここでは、 DaisyArt97 をメインに使用しており、ツールの使い方や用語がそれに依存している部分もあります。御了承くださいませ。

それでは、先日登録した扉絵7「春」を例題に解説していこうと思います。



●したがき

・下描き

紙に向かって(時にはお風呂、トイレや、夢の中で)、イメージをふくらませます。
イメージが固まったら、鉛筆(私はシャーペンだけど)でつらつらと描いて行きます。
用紙にこだわりはありません。使いやすいので無地のルーズリーフ用紙をよく使っています。
描きながら、紙をひっくり返したり、裏から透かしてみると、絵の狂いがよくわかります。

・ペン入れ

鉛筆で下絵を描いたら、1日くらい置いて見直してみると、絵の狂いに気が付いたりします(^^; それを直したら、ペンで清書します。
私の場合、ペン先の細い水性ペンを使ってますが、せっかくスキャナで取り込むのだから、線の細い・太いを活かした、いわゆるペンタッチをつけるように心掛けています。

消しゴムをかけて出来上がり。


狭い机の上で(^^;


・スキャン

私はカラースキャナ(EPSON GT-5000WINS)を使用していますが、白黒多値モードで取り込んでいます。

この時、ハイライト/シャドウ(黒レベル/白レベル)を調整して、紙自体の色やゴミを拾わないようにします。
取り込みサイズは、完成予定サイズよりも大きくしますが、編集のしやすさも考えて、横サイズを600〜800dot位にすることが多いですね。

<エプソンスキャン画面>



●いろぬり

・ペイントソフト起動

私は現在DaisyArt97を愛用しています。
編集中の画面構成は、こんな感じかな。
もう少し詳しく


・主線レイヤ準備

取り込んだ下描きと同じサイズのキャンバス(編集画面)を開き、主線レイヤをフルカラーモードで作成し、そこに下描きを貼り付けます。
レイヤの合成方法は「乗算」にして、準備OK。
<レイヤマネージャ>
<主線レイヤ>
レイヤとは?

・肌彩色

キャラクターの色の中で一番下になるところ、普通は肌になるので、ここから色を塗る事にします。
肌レイヤをフルカラーモードで作成し、主線レイヤの上に合成方法「重ねる」で配置します。
このレイヤ分けで、下描きを参照しながら、しかも、下描きを壊すことなく、色を塗ることが出来るわけですね。
<レイヤマネージャ>


まずおおざっぱに基本となる肌色を貼り付けてしまいます。
今回は素足じゃないので、タイツも同じレイヤに塗っています。
<肌レイヤ(おおざっぱ塗り)>


次に、下描きを参照しながら、影色(暗い肌色)を塗ります。
この時は、スムーズズーム機能を用いて、2〜4倍に拡大し、エアブラシを使用することが多いです。
エアブラシは効果濃度を下げ、同じ所を数回重ねるように塗っています。

塗りがわかりやすいように、主線の合成をOFFにしたものをならべて見ました。

<肌レイヤ(拡大)>
<肌レイヤ(主線合成なし)>


このときのペンオプションとカラーメーカーです。
効果濃度はカラーメーカーの「T」で指定します。
<ペンオプション>
<カラーメーカー>
効果濃度とは?


また、私の場合、目や口の色もこのレイヤに描いてしまいます。
<肌レイヤ>


・肌透明処理

肌の透明レイヤを作成します。
<レイヤマネージャ>


まず、おおざっぱに透明、不透明処理をしました。

このとき上のレイヤ(ここではベースレイヤ)に何か色を塗っておくと、処理具合がわかりやすいと思います。(今回は緑色を塗って見ました)

参考のために、合成OFFの表示を右にならべて見ました。
黒い部分が透明なり、レイヤマネージャで上に置かれたレイヤが透けて見えることになります。

<肌透明おおざっぱ処理>
<肌透明レイヤ(合成なし)>


次に、スムーズズームで4倍程度に拡大し、エアブラシ等を用いて、透明感を自分の目で確認しながら処理していきます。

エアブラシを用いたのは、DaisyArt97の場合、透明レイヤで使用する色の濃さによって、透明度を調節できるので、自然な透明感(合成)を作り出すことができるからです。
サンプルで透明・不透明の境界を見てください。

<肌透明レイヤ(拡大)>
<肌透明レイヤ(合成なし)>


全体を処理すれば終了。
(髪や服に隠れる部分は透明にする必要はありません)

<肌透明レイヤ>


・髪彩色


髪レイヤをフルカラーモードで作成し、肌レイヤの下に配置します。

準備ができたら、やはりおおざっぱに塗ってから、影色で立体感をつけていきます。

<レイヤマネージャ>
<髪レイヤ>

・髪透明


肌と同じように透明処理を行ないますが、肌と重なるような所は特に雰囲気に注意して処理を行なっていきます。
<レイヤマネージャ>
<髪透明レイヤ>

・服彩色


同じように、服レイヤをフルカラーモードで作成し、髪レイヤの下に配置します。

ここもおおざっぱに塗ってから、影色で立体感をつけていきます。
今回は靴下や靴もこのレイヤに描いています。

<レイヤマネージャ>
<服レイヤ>


また、テクスチャやフィルタを利用して布の雰囲気を出して見たりします。
今回は「色鉛筆フィルタ」を使ってみました。
<フィルタ処理>


・服透明


同じく透明処理を行ないます。
<レイヤマネージャ>
<服透明レイヤ>

・背景


ベースレイヤが残っているので、ここに背景を書き込みます。

今回は(今回も?)雰囲気のみの背景なので、エアブラシで緑や水色を吹き付け、さらにボカシを入れてみました。
このとき、主線だけを合成しておけば、人物との位置関係がつかみやすくなりますね。

もちろん、キャラクターと同じ手段で緻密に描き込むこともあるだろうし、写真を取り込んで使うこともあります。

<背景レイヤ>



●しあげ

・主線調整

このままでは主線の黒がきついので、すこし柔らかい色にしようと思います。
(そのために、白黒の主線にフルカラーのレイヤを使っているのですね)

まず、マスクレイヤを作成し、マスク抽出機能などを用いて主線以外をマスクします。

次に主線に重ねる色を選択します。今回は少し茶色系の主線にしたいので、明るい茶色(肌色に近い)を選んでみました。
効果濃度を下げ(30%くらい?)、主線レイヤ全体にボックスフィルします。マスクがかかっているので、主線だけ色が変わるはずです。
好みの色になるまで数回繰り返すこともあります。

<主線レイヤ>


・ハイライト

髪や服に白のエアブラシでハイライト処理を入れました。
主線自体もハイライトになじむように、軽く消しを入れた部分もあります。

私、ここら辺、苦手です(;_;)

<合成済み>

・文字

最後に、タイトル等を入れます。

今回は、文字レイヤを用意し、そこにタイトルを描画、白い部分を透明指定しました。
透明レイヤを別に用意し、半透明な文字を入れることもあります。

<レイヤマネージャ>
<文字レイヤ>



●かんせい

・完成

すべてを合成し、ファイルに保存します。
<合成済み>


・縮小

最後にHP等で発表するサイズに縮小します。
今回は600*900dotを400*600dotに縮小しました。

縮小することによって、「あら」が見えにくくなる利点はありますが、工夫を凝らした処理まで潰れてしまうことがあるので注意が必要かも(^^;

縮小ツールには、 ANZEさん 作のresize.exeを使用させていただいています。




さて、いかがでしたか? う〜ん、全然テクニックの無い描き方してるんで、参考にならなかったかも知れません。ごめんなさい。


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